瀬戸川模型工房のブログ

東京・練馬で鉄道模型専門の模型工房をやってます。主に工作日記と乗り鉄・取材の日記を載せてます。お問い合わせはこちらです。https://tomox14.jimdo.com/

2020年04月

以前Nゲージで、まだKATOしか製品が出ていなかったころ、香椎線に居た6両を取材して作ったことがあります。
個人的趣味としてはJR九州色のほうが好きなのですが、タネ車としてKATOのアクアライナーを購入しているうちに、全部作りたくなったのです。
その後香椎線を出されたころにはアクアライナー色の車両が増えて、鹿児島に移り、そして現在はもう塗り替えか廃車になったと聞いてます。
今回は九州好きのお客様にお応えして、アクアライナーを2両作ることにしました。
過去のNゲージでの製作記事はこちら。
http://tomox1414.livedoor.blog/archives/1515285.html
http://tomox1414.livedoor.blog/archives/1515288.html

さて、今回はHOですので模型工房たぶれっとさんのデカールが頼みの綱です。
そのデカールに含まれているナンバーから製作する車体を決めるわけですが、個人的にはあの直管クーラーが好きでして、つるつるの屋根は避けたいところ。


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(これはかつて作ったNゲージの自作クーラーです)
というわけでキハ47-71とキハ47-9301を選びました。
71はデカールがなかったので、他の番号から数字を抜いて作りましょう。

二両とも、側面の小さなルーバーは不要です。給油口もタブレット保護板も要りません。
それらを埋めたり削ったりして側面を作ったら、肝心の屋根に入ります。
まずはクーラー室外機。
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ホビーメイト・オカさんのWAU202クーラーを二つに割って整形します。

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ダクトカバーを作ります。
エバーグリーンの2.5X3.2のプラ角材を台に両面テープで固定し、粗目のペーパーで斜面を作ります。
この辺はNゲージの時と同じです。参考の記事はこちら。
http://tomox1414.livedoor.blog/archives/1515266.html

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分かりにくい画像ですが、角材の黒い部分は水平で、白いのが斜面です。角度は勘です。
底面にも斜度をつけます。屋根が斜めになってますから。

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屋根のほぼ中央に冷気を分けるティーズ(分岐)がありますので、それもプラ棒とプラ板を重ねて自作。室内への配管も削り出しします。
ベンチレーター跡は適切な大きさに切り出したプラペーパーを接着。

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このように各部材を切り出したら、セロテープで仮留めし、室内側からドリルでΦ1.0mmの穴を開け、プラ棒を釘代わりになるように接着します。
ボディにセメントでイモ着けしてもまず外れませんが、たとえ細いプラ棒でも強固に接着をフォローしてくれます。
この1.0mm丸棒は後で塗装の時にもクリップでつまめるので便利ですね。(映ってないけど)

で、ボディ塗って、デカール貼って完成です。


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キハ47-71(M)

白はキャラクターホワイト。純白に少しだけ柔らかさがあります。
青はNゲージの時に使ったものを元に再調色しました。
ホイッスルカバーはもちろんスリットに交換。

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キハ47-9301(T)
トイレなしです。このトイレなしのアクアライナーはもう一両ありましたが、直管クーラーが載ってないので本当のツルツルです。九州色にはよくありますけどね。
二両とも3位側の小窓に黄色く「行き先」表示があるのですが、デカールに含まれてなかったので今回は割愛しました。
この黄色、表面だけ塗ってあって、窓枠の内側は白のままなのです。やり難いですね。”行き先”というロゴも手に入らなかったのでオミットです。

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苦心の作であるクーラーとダクトですけど、いかがですか?
雰囲気はバッチリ出ていると思います。
ダクトを固定するためのバンドも表現してます。
その方法は企業秘密。w

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個人的にも思い入れがあるアクアライナーがHOゲージで再現できました。
このカラーと九州色の混合編成なんていいですよね。
というか九州色はご存知JR九州の企業カラーですので、九州全域にあり、アクアライナー色は九州では数少ない地域色です。そりゃ目立ちますね。

現在後一両分のデカールが手元に残ってますが、こうなるとキハ47はセットでないと作りにくい。
このアクアライナーは注文対応にさせていただきますので、どうぞお問い合わせくださいね。
というか今までガンガン作ってますキハ40系の塗り替え・改造はすべて対応させていただきます。
自宅に自粛しながら脳内で鉄道模型をお楽しみの方々、連休中はお問い合わせの対応がやや滞るかもしれませんが、どうぞお気軽にご利用ください。
お問合せはこちら。

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下回りは台車とジャンパー栓をねずみ一号で塗りました。
最近導入したガイアノーツ「レジン ウォッシュ」で20分を漬け置き洗いし、中性洗剤入りのポリデントのシュワシュワ、歯ブラシによる洗浄、超音波洗浄機、そして熱めのお湯で洗剤落としをしてからのミッチャクロン下地塗装です。
さすがにこれだけやれば塗膜もしっかりしてますね。
この洗浄はトラムウェイの車両ボディにも実施してます。
それでもボディの離型剤がとれないときがあります。大変にしつこいです。
下地塗装をしたときに塗料のノリが悪かったら急遽中断し、もう一度洗い直しをやるほどです。
このトラムウェイ製品の塗り替えの最大のコツは、じつはこの最初の洗浄にあると言っていいでしょう。

さて、完成画像です。
キハ40-2501(T)
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当工房のデフォルト仕様ですが、このキハ40-2501は3-4側のヘッドライト・テールライトはユニットごと抜き取ってます。編成でしか走らせない設定であることが理由です。T車ですしね。

キハ48-2502 (M)
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中間車として動力が入れてあります。
ライトは基板のスイッチでOFFにしてあります。
ライトユニットそのものはありますので、室内灯が取り付けれます。
前述のキハ40は1-2側(先頭)のライトユニットから給電できます。
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トイレ窓が撤去してあり、アンテナがついている特徴も表現しました。

キハ48-2501 (T)
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これも先頭なのでライトは点灯します。
今回は編成の両端車両にジャンパー栓と放送用ケーブルをつけてみました。

”タイプ”になっている箇所は、三両とも客ドアのHゴムは黒でそのままにしてある点です。
実車はHゴムがないドアに変わっていますが、ガラスパーツに付いているHゴムのモールドを削るのはやめました。
これは”やれば出来る”という実験結果も出てますが、そのドアガラス自体が磨きまくってピカピカ光っちゃうので、やめたのです。
反射が目立ちすぎてしまうので、ツヤをやや消したクリアで保護することを今後考えないといけません。よって今回は割愛です。
それとスノープロウ、ステップのグレー化は回避しました。
樹脂の質があまりにも柔らかいため、前述の台車の塗装のようなことをしても、さっさと塗装が剥がれてみっともなくなるでしょう。
こういうところはユーザーの視点で考えれば、こだわりよりも耐久性を重視しました。

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各色の発色も鮮やかに出ましたが、僕的には一番苦労した腰下の黄土色ですね。
一見ゴールドにも見え、でもラメは入っていません。
目立たないけれども存在感のあるカラーで、この三色にマッチしています。
今回はピンクとこの黄土色を新調したのですが、Nゲージである前作にも増していい仕上がりとなりました。

というわけで、僕個人としても思い出のある「ふるさと」の完成です。
たぶん、ですが、HOゲージでこの「ふるさと」編成はかなり珍しい作例だと思います。
この連休中にホームページで在庫表にUPする予定です。
どうぞご興味のある方はお問い合わせくださいね。

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この「ふるさと」はお座敷列車として改造されてまして、窓内に障子らしき窓が二重に設けられています。
今回はその再現ですが、これもNゲージでつくったときの応用です。

ガラスパーツに塗装されているシルバーをIPAで手早く落とします。
これは簡単に落ちます。そして窓ガラスの透明度もキープされます。
その横桟には黒をマスキングして吹き付けます。
実物の窓枠は実は黒ではなく、いわゆる建築サッシの”ブロンズ”という色でして、オリーブドラブのような色です。(ご家庭の窓サッシのあのブロンズ像のような色です)
しかし今回は黒で行くことにしました。そのほうが模型的に映えるからです。


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障子はt=0.5mmのプラ板をそのまま使います。
この窓ガラスのモールドは内側が凹んでますので、そこにピッタリ嵌るようにカット。
中線に縦桟として0.8幅に切り出した黒のテープを貼ります。
そして内側に入れて裏からセロテープで留めました。
これで室内灯を装備しても若干の光が車内から見えるかな?という狙いです。(試験はしてないけど)


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窓すべてに嵌め込みます。窓ガラスモールドの四方も黒マッキーで塗っておくと、車体につけたときに黒く深みが出ます。

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ベンチレーターを戻したらデカールを貼ります。早いです。
試験の時に裏地の白の発色の良さを確認はしたのですが、デカールの厚みがさらに出てしまうので色付きのロゴだけを貼りました。
もともとピンクの下地の上にピンク文字、という感じですので、そこまで発色は悪くなりませんね。
でも紫だけは下地の色が強いので、表記とかは目立たなくなってしまいました。
ま、これはある程度仕方ないですね。

クリアを散々吹いたのですが、デカールのカットラインも光の当たり加減では見えちゃうかな。
その辺はご愛敬ということにしましょう。

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あんまり三色とも同じツヤで屋根まで塗れてますので、屋根の部分だけはつや消しクリアをさらに吹きました。
ちょっと濃い目にしかもブラシを離して吹くことによって、鮫肌が表現できます。
これでボディとは違う物質に塗装してある雰囲気が出たと思います。

というわけで次回は完成披露ですね。

つづく

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もう最近のブログはトラムウェイのキハ40系の改造ネタばかりでスミマセン。
これだけの量をさばいてますと、どんどん考えなくても手が勝手に動くようになります。
ノリというか、手慣れというか、ほとんど躊躇なく分解して加工に移れちゃうのです。

で、今度のお題は「ふるさと」です。
数年前ですが、乗りつぶしに目覚めたころ、初の東北遠征の時に小牛田の隅に停車していました。
ホームからも遠く、回り込んでも撮影できそうになかったし、その後画像保管していたHDDが死んでしまったためにたった一枚しか残せませんでした。


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NゲージではKATOの漫遊タイプをよく種車にしていたので、手にはしていましたが実物をみるとその鮮やかなカラーリングに思わずうなりましたね。
その後NゲージではTOMIXを改造して2セットほど作りましたが結構好評でした。
さて、今度はHOゲージで製作してみましょう。


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以前工程説明の回の時に使った画像ですが、これがふるさとの三両です。
タブレット保護板、小ルーバー、サボ受けなどを除去します。
また、これら三両のすべての小窓を埋めます。
キハ48-2502(紫)はトイレ窓も要りませんので埋めます。
キハ40-2501(ピンク)は2000番台ですので、タネ車には気を付けないといけません。


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ベンチレーターはなんとか引っこ抜きます。というか裏から押しだします。
でも二つばかし無理やり引っこ抜こうとして取付ステーの根元から折れました。
この作業、地味に力要ります。

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窓埋めを終えて、何度もチェックしたら迷わず塗装です。
この三両、屋根がボディ色だから楽ですね。
ピンクはクレオスのピンクをベースにすると遠すぎますので、赤に白、黄色、シアンを入れて調合。
紫はこの画像ではあんまり紫になってませんが、クレオスのパープルそのものです。
緑はGMの青緑1号でズバリ。この辺はNゲージのときのデータが生きてます。
一番難しいのは下部で、どうも竣工当時は金ピカだったみたいですが、僕が実際みたものはすでにラメもなく、金にするのは気がひけます。(KATOは金ピカ)
ですのでファルベの黄土色から作りました。マゼンダと黒を入れ、すなわち茶色を入れるのですが、イエローもいれて濃度をみてから、最後にシアンを瓶に対して二滴入れて色を締めました。
結果はこの画像でもお分かりの通りで、光の当たり方では金にも見えますが、メタリックのしつこさはありません。

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さて、今回の工作で一番の難題はこのロゴでした。
自分で作ろうと、「プリントごっこ」の中古を買ってシルクスクリーンに挑戦してみましたが、粒子が粗いし発色も悪かったので断念。つまらぬ出費となりました。
諦めかけていたとき某模型店の店長に作ってくれそうなモデラーを紹介してもらったのです。
そのS氏に頼んでフォトショなどでロゴを作ってもらい、特注デカールを製作してもらいました。
”月・華・風”と大変カッコよく作っていただき感謝です。これからも頼んじゃお。
で、白い漢字も入ってまして、これはデカールが透けて発色が悪くなった時のものです。

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これは試作ですが、左がピンクの塗装にダイレクトに色付きのものを添付したもの。
右は一旦白文字を添付してから色付きを重ね合わせて貼ったものです。
発色が断然違います。
ただ難点は、この特注デカールは厚みがあるので、デカールを切ったラインが出やすいのです。
それが重ね貼りだと二か所に現れてしまうので光の当たり方では見苦しくなってしまうかもしれません。

その辺をちょっと考慮しながら、次回は窓の製作です。


つづく

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トラムウェイ・キハ40系シリーズの改造、今度は先日ダイヤ改正によってリタイアした復活国鉄急行色の二両を作りました。
正確には”急行色風”なのですが、キハ40系の様々な塗り替えの中でもかなりいい線行っているカラーだと思います。

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まずはキハ48-523。
この色の前は新新潟色だったものです。
クーラーを載せ、台車をグレーに塗りました。
赤11号というより、ラッピングシートのオレンジっぽさが実車にはありまして、この画像ではちょっと分かりにくいのですが、KATOのキハ58系の赤と比べても、模型実物はオレンジっぽいです。
これは動力車。太い赤のラインが連結面の手前で終わっているところも再現しました。
両面のタブレット保護板を削って平滑にしてあります。

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キハ47-1514。
これは実車に乗ったことがあります。喜多川から新津までの乗車でした。
この二両のインレタは白文字です。前面にジャンパー装備。
今回スカート近くのジャンパー栓は製品のものをグレー塗装しまして、前作の新新潟色と違って、ジャンパーを真鍮線に戻しました。よって、下回りとジャンパーは接続しておりません。
ま、このほうがあっさりしているかもです。
エアホースは走行の時に支障をきたすかもしれませんのでつけてませんが、最近リクエストが多いですね。
(実はエコー製もエンドウ製も取付の際に柄の長さが足らず、床下に穴を開けて接着しても不安定になるのです。ですのであんまりしたくないのが本音。ちょっと工法をかんがえないと・・・)
クーラーの位置がキハ48-523とは違ってまして結構前寄りなのです。

塗装ですけど、赤→クリームの順で、赤11号は完全に調色してますので、元ネタがわからないほどです。ファルベでは黒が入りすぎてますし、旧グンゼとかモリタも試したのですけど気に入らない。
KATOの赤11号に合わせたもの方が印象がいいので、それにイエローをどかどか入れました。
クリームはファルベの4号+調整ですけど、もうファルベが手に入らないので困りものです。
早く何とかどこかで引き継いでもらいたいものです。

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クーラー類はMAXモデル。47と48ではダクトカバーの配置が違うのも再現。
もちろん不要なベンチレーターは撤去してます。穴埋めも平滑化もばっちり。

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というわけで先月の新津の最終日にこの急行色が走ったということで、一気に製作したくなって作りました。
バラしてキハ40らと編成に混ぜてもよし。この二両でばっちし決めても良し。
となると今度は当然旧新潟色(青)の製作となりますね。
今回ので2つのセットをバラしましたので、キハ47-0(M)とキハ48-1500が残ってます。
それらを使用してもいいでしょう。

ただね、あの青いやつ、本当にマスキング作業で精魂尽き果てるのよね・・・

てなわけでこの急行色もそのうちHPの在庫表で価格の公表しますね。
よろしくでーす!

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今も新たなキハ40系を仕込んでいますが、現在三種も作ってまして、気が付くとほとんど画像が撮れてません。
それではネタがないので、工作途中の記録、というか工法を載せておきます。
トラムウェイの改造の時にお役立てください。大したことはないかも、です。

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九州色を作るときにおこる、ベンチレーター撤去。
この製品は車内側からがっちり接着されてます。
ベンチレーターを完全に潰してツルツル状態にしたいのであれば、レザーソーでベンチレーターを決断し、取付用の芯(画面上部)をよく切れるニッパーでカットするのがもっとも確実です。
引き抜いたものをもう一度使いたいのであれば、車内側から隙間にカッターを入れたり、飛び出た芯を彫刻刀の丸刃などで削り、接着部を少なくして置いてからマイナスドライバーなどで押し出します。
無理に引き抜こうとすると、画面上部の様に芯だけ残ってベンチレーターは無残な恰好になります。
もちろんこの後屋根は後処理の継ぎ目消しとなります。これは割愛します。

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この作例では上の丸の部分を撤去します。
タブレット保護板、サボ受け、ラジエターグリルなどです。
サボ受けは彫刻刀の平刀で削ってペーパー掛け、ラジエターグリルは粗目のペーパーで消していけば、グリルの掘り込みまで消えます。そんなにボディはへこみません。
(これがNゲージのTOMIXやKATOですと、グリルの溝のほうが深いため、削った後にパテ埋めをしないと仕上げの時に溝が出てきてしまいます。トラムウェイは溝が浅いということです。)

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タブレット保護板も、一部の実車では撤去してあるものが多いです。
これも平刀である程度削ってから粗目のぺーパー(僕は240から400、600、800と上げます)で仕上げます。
とくに240のとき、クレオスのポリッシャーではあっという間に削れてしまうので要注意。
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一本あると大変便利ですね。

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サボ受けもタブレット保護板も削った状態です。
ここから先ほどの三両の小窓だけを埋めるわけですが、この時点で現在何を作っているのか分かる人は、キハ40系の派生した車両をよく知っている方ですね。


屋根に戻ります。
JR東日本の更新冷房車にしようとすると、クーラー室外機やダクトカバーを載せることにもなります。
当工房はまだまだ冷房車を作る予定ですので、こんな治具を作ります。

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アクリル板をボディにぴったり被せるようにコの字に接着します。
その間に中線を引きます。スジボリで、目立つように墨入れもしておきました。

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前回作った新新潟色で測定したクーラー室外機の設置部分から、パーツの脚が来る場所を特定し、先ほど作った治具に被せて、パーツの取付穴を移します。

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治具には室外機のほか、それに絡むダクトカバーの位置もケガき、ポイントとなる穴を開けておきます。
後はこの治具を所定の位置に充てて、セロテープで固定して屋根に穴を開ければ、簡単にパーツ設置できるようになります。
この治具を作るのに丁寧に作ったために30分ほどかかりましたが、今後の作業時間の短縮にはバッチリです。
個人的に工作する人は治具まで作ることはしないかもしれませんが、せめて屋根の中央線を得るためだけにでもコの字を作ったらいかがでしょう。
コの字だけなら10分もかかりません。

今までいろんな工作をしてきましたが、たとえ二両だけの工作でも、作れるときは治具を作るようにしてます。
こういうちょっとした手間で格段に仕上がりがよくなりますので、ご参考にしてくださいませ。
では頑張って三種類・計7両の塗装に戻りまーす!

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さて、キハ40新新潟色が完成しました。
いつものように完成画像です。


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今回は放送用ケーブル(エンドウ)もつけてみました。
ジャンパーはΦ0.5mmの電線コードに戻しました。これによってスカート側のジャンパー受けにも接続できますし、上下分離の際に破損しません。
そのかわり柔らかくなびきますので、ちょっと指などで整えてくださいませ。

よく見ていただくと、乗務員ドア横の小さなJRマークもつけてあります。


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3-4側です。
今回は特定車番ですのでキハ40-586、587ともにインレタはフルに使ってます。
型式表記はくろまや、渡り板の車番はNゲージ用でトレジャータウンのものです。
トレジャーは茶色で発売されてますけど、HOのインレタは茶色がないので黒で代用。
あんまり気にならない色の差ですけどね。


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この工作のキモはやはり塗装ですね。
この斜めのスリットも、二色の帯もマスキングはかなり厳し目です。

クーラーとダクトカバーは効果的なパーツです。
今回は「新潟~新津~会津若松」のサボ(Uトレイン製)も添付しました。見えますか?


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赤の発色もややオレンジっぽく、薄いグレーも程よく出てます。
塗装としては合格点だと思います。

テクスチャーとしては両方とも動体模型としての機能を重視したM車です。
そして連結時に邪魔になるかもしれないエアホースの表現は今回は割愛しましたが、前述のジャンパーの素材を電線コードにした点は利点になるでしょう。

というわけで新新潟色、完成です。
もちろんキハ47も塗装が可能ですが、今回はキハ40の二両にしました。
昨秋11月に新潟~新津で乗車した二両です。

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先月の最後の運用を飾った番号ではありませんが、個人的に思い入れのある番号にしました。
しばらく自室で眺め、この外出自粛要請下の嫌な気分を和ませたら販売します。
販売方法は通常でしたら銀座の模型店様なのですけど、外出自粛ですからホームページなります。
しばらくホームページを更新してませんので、近々に在庫などをUPしますね。
(といってさっぱりやってないのは、UPする前に問い合わせで売れちゃうケースが多いのです)

というわけでお次もまたキハ40系です。
今度も東日本?それとも九州あたり?
工作もペースも手馴れて精度が上がってますんで、ノリノリで作りましょう。

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今回の作品はジャンパー栓受けを下回りも変えましょう。


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スカートを外して製品に付いているパーツをニッパーで食いちぎります。
かなり接着剤が流されてますので、食い切るのが一番早いです。
ベースごとやっちゃいます。


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今回は一両がエンドウ製、もう一両がエコー製のパーツにしました。
どちらかというとエコーのほうが高さが合いやすいのですけど、取付穴2.0mmはちょっと大きいですね。ジャンパー栓が開いているのは2エンド側です。(当工房のデフォルトです)

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今回は台車も塗装します。
爪でハマっているだけですので、ピンセットを隙間に入れてコシコシやってれば外れます。
台車はレジンキットの剥離剤の洗浄液(ガイアノーツ T-03m レジンウォッシュ)で10分くらい漬け置き洗いし、入れ歯を洗うシュワシュワ泡の出るヤツで20分、中性洗剤、超音波洗浄機で徹底的に脱脂しました。
そこにミッチャクロンでプライマーしてからのグレーです。
どうやらしっかり食いついたみたいです。
元々の樹脂がNゲージの台車と比べて硬い素材なので、余計に剥離の心配はないかもしれません。


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ぼちぼち上下の合体に備えて電極の間にプラ板を接着。
これをやっても上手く通電出来ないときがありまして、どうも合体の際になるべくひねらずにカプラーボックスの辺りを押してなるべく水平にして押し込むのがよさそうです。

が、今回は一両はすぐにできても、もう一両がまったくライトがつかない。
で、3時間くらいごちゃごちゃやってりゃ塗装も剥がれるわ、車内にカスやほこりが入って掃除をやり直しだわで、ブチ切れそうになりました。

一晩たって落ち着いて検電してみると、ライト側ではなく下回り側の基盤がパーになってました。
やれやれ、またどこかのボディからパーツを分捕らなくては・・・・
こうやってジャンクが増えるのです。(そのうちジャンク売ったろ)

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クーラーを載せるのを忘れてまして、これはMAXモデルさんのパーツです。
色目はTOMIXのNゲージに合わせました。ベンチレーターを取って、均している部分もあります。
タンクの横のベンチレーターは一個ありませんので、作る方はお気をつけくださいませ。

で、このパーツも穴開けしてからの接着ですんで、カスが発生しますわな。
苦労した上下はまた分離しなくてはならんわ、車内の清掃はやり直しだわ・・・
もういい加減、段取り考えようね。
今まで一体何両作った?ん?   


数えたらすでにこのシリーズが発売されて45両・・・


はい、次回は完成報告でーす。汗
つづく

瀬戸川模型工房 

本日、株式会社ネコ・パブリッシングからHOプラのムック本が発売されました!


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えー恥ずかしながら当工房の作品と製作記録も載っております。


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キハ53-504 

このブログを以前からお読みになってくださっている方々にはご記憶にあるかもしれません。
ニコイチ作品として掲載されてますが、製作途中の画像はこのブログの方が圧倒的に多いです。
でもさすがはプロ撮影の画像ですね。すばらしいです。

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クモニ83関連の改造ネタを3種ほど。
これはスカ色、クモユニ82、そして湘南色2パンタのお話です。
スカ色とクモユニは昨年のヒット商品ですが、2パンタはツイッターでちょくちょく報告していた作品です。
どれもハードな工作は避けてスッキリと仕上げてます。

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キハ28・58 広島色

これは単なる塗り替えです。現在在庫が一つとスーパーキッズランド日本橋店で発売中です。(売り切れていたらごめんなさい)
手すりは真鍮に替えてあります。

このムック本はHOプラに特化しておりますので、PLUMの201系キットの製作記事とか、ファンの知りたいところを上手くついた内容になってます。
工作加工されているファンには参考になるでしょうね。

当工房は、というか僕自身ですが、いつも気を付けていることがありまして、それは「工作が破綻してしまうギリギリのところまでで抑える」というものです。
やりすぎてゴタゴタしてしまったり、肝心な仕上がりが悪く(とくに塗装)なって、見栄えが落ちてしまうのなら、やらない方がマシだと思うのです。
たとえばエアホース。
僕はお客様の指示がない限りはつけません。
それは走行に支障が出たり、すぐに取れてしまう可能性があるからです。
取れないにしても塗装が剥がれることはしょっちゅうでしょう。
となると一気にみすぼらしくなってしまいます。
いえいえ、ディスプレイ用ならエアホースはつけるべきです。でも鉄道模型は動態模型だという前提を守っているのです。
ですから僕の作例はスッキリすることが第一。動きを妨げたり脆弱なのはNG。
メーカーの製品と並べてもそん色ない仕上がりを目指しているのです。
やれと言われれば徹底的に加工しますけど、やりすぎて箱に入れて発送することも躊躇うようになっちゃうと本末転倒でしょ、と思うわけです。

でもまあ模型ですから各々が個々に楽しめりゃそれが一番なわけですので、僕の作品を支持していただける方に愛されればそれでいいと思っております。
そんなわけでいよいよメジャー誌のムック本に合計7ページも掲載されてとても幸せです。
どうぞ皆さん、一度書店でお手に取ってくださいませ。
そしてこれからも瀬戸川模型工房をよろしくお願いいたします。
最後に掲載いただいた株式会社ネコ・パブリッシング様、ありがとうございました。

瀬戸川模型工房 




新新潟色を作っている最中ではありますが、四国色のキハ40が完成しましたので載せます。
主な加工点は屋根とトイレですね。
トイレを撤去してしまったタイプを選んだので、水タンクは撤去しますが、屋根にあったベンチレーターも取って凹みを埋めてみました。

そしてトイレ窓を交換しなくてはいけません。
というのも、実はこのトイレ窓の楕円のガラスのパーツが欲しくて始めました。(というか他のキハ47を作っている最中にトイレ窓をなくしたわけ)

まあ、毎回こういう選択ミスで後で大変な目に遭うのですけど。

さていつものようにバラシてさっさと屋根の凹みを埋めましょう。

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トイレ窓と屋根の凹みをプラ板で埋めます。

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最初は瞬間接着剤を盛って#240のペーパーで荒砥ぎします。
ここで瞬間接着剤にプラの粉(切断の時に出る切り粉)を骨材として混ぜておくとよかったですね。
忘れてました。だからあとで苦労しました。

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屋根上に上がるステップの上に手すりを付けるための窪みを付けました。
隙間が埋まっているかどうかを確認するため、エアブラシでグレーなどを軽く吹きますと、ダメな部分がわかりやすいです。

で、自分的にOKが出るまで6回ぐらい瞬間接着剤を盛ってはヤスり、パテを盛ってはヤスり、サーフェイサーを吹いては落胆しの繰り返しをしました。
なかなか継ぎ目が消えないのです。

ここで多分これが正しい隙間埋めの手順ですが、
1. 大きく埋めるときはプラ板ではみ出るほど埋める。なるべく隙間の内容に。ただ、一番いい素材はボディと同じ樹脂で、同じ硬さなのでヤスっても均一に削れていくから。
2. 1で溶着し、しっかりと養生期間をとったら、次は瞬間接着剤を前述の骨材を混ぜて盛る。
そしてペーパーで削る。ここでもかなり長く養生期間をとって、ヒケを起こさせる。
3 凹みや継ぎ目の線を光学パテで埋めて均す。これでヒケを完全に止める。
4. 次にプラパテの処理で目立つ傷などを埋めて600番のペーパーまでかける。
5. 最後にサーフェイサー(僕は1000番)を吹いて完成

この工程が多分一番きれいかなーと思います。

今回は3をやらなかったので、5のサーフェイサーが4のプラパテを溶解してしまい、何度も隙間が復活したわけです。あと、瞬間接着剤もプラパテを溶かしますので後々での瞬間接着剤の使用は元の木阿弥になりがちです。


さて、呪われた屋根は終わって、トイレ窓へ。

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埋めて均して、窓開口をしますが、もっとも問題になるのは窓枠のディテールです。
ツルツルの壁に四角い穴だけが開いてる状態ですので、窓枠を作ります。
ここで紙やプラペーパーでやると厚みが違ったり剥がれたり、プラペーパーだと薄すぎて接着剤で溶けちゃったりします。
そこでプラパテで盛って作ります。
画像の赤いライン(曲がっててすみません)は隣にある窓枠モールドの外側のラインです。
そこに合わせてマスキングテープを貼り、内側の窓枠部分にプラパテを盛ります。
乾いて固まったら丁寧にペーパーを上からかけ、マスキングテープの表面が出るまでゆっくりと削っていきます。
このとき開口が歪んだらヤスリで整形します。
マスキングをはがす時にパテが載っていると、残したい部分までめくれてしまいますので要注意。
マスキングテープを取ってからも、隣のモールドと比べて厚みを合わせたり、角張った部分をペーパーで丁寧に整形します。

IMG_4090

これが仕上がった新しい窓とタンクの部分です。上手くいきました。

ただね、この新しいガラスパーツを得るために、キハ40-2000を一本つぶしましたけどね。
ああ、高ついたぁああぁあ。


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IMG_4091

今回はテールライトをKSモデルのパーツを切断してつけてみました。
タイフォンカバーはエコーモデル。
ジャンパー加工は1-2側のみですが、これは当工房のスタンダード。
屋根上のクーラーはTOMIXのパーツです。
相変わらず塗装が難しくてなけちゃう四国ですが、完成しました。

この四国色はホームページではキハ47として掲載しております。
でもこのハードな加工のキハ40は特注になりますのでよろしくです。

この模型は4/1現在東京・銀座に展示販売しております。
ちょっと気軽にお出かけして、とは言えない世の中ですが、今回はちょっと加工を頑張ってみました。
ホームページからのお問い合わせもお待ちしております。

瀬戸川模型工房  














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