瀬戸川模型工房のブログ

東京・練馬で鉄道模型専門の模型工房をやってます。主に工作日記と乗り鉄・取材の日記を載せてます。お問い合わせはこちらです。https://tomox14.jimdo.com/

2022年01月

トラムウェイの北海道気動車改造、今回はキハ40-100の基本改造についてちょっとご紹介。

まずは床下塗装。


IMG_0244

と言ってもただ黒に塗るだけなんですけどね。
ただこのトラムウェイの製品、床下器具の再現パーツが細かく、まあエンジンが底抜けになっていたりはするものの、機器パーツを一つずつ独立させて接着してあります。
ということは塗るのが大変。
エアブラシでは塗料が裏側なんかに回らないので、最初は狭い箇所や裏側を筆塗りする必要があります。
使うのはいさみやの黒いプライマーでして、ちょっとお高めですけど、一発で着色出来て食いつきも良いです。
これを下地にして二番手にラッカー系の黒を吹いてもいいですね。
なぜ最初からラッカー系を使わないのかというと、この床下は洗ってもなかなか塗料の食いつきが良くないからでして、動力車はモーターも外して完バラにしてからの洗浄が必要となり、それでもラッカー系では塗料が浮いてきちゃうんです。
画像の6両分(M車)を完バラして洗って塗装して組み立てるだけで軽く合計半日かかります。


IMG_0246

北海道によくある前面凹みを付けます。
この製品はボディの肉厚がありますので、四角い穴を開けて下部を斜めにヤスり、裏をふさいで上部に斜めのプラ片を接着すれば表現できます。まあ、結構手間ですが。
それが両運転台となると2倍なわけです。
また、今回はタイフォンカバーを撤去したタイプも作ってます。(画像〇印)
削った痕にペーパー掛けするのですけど、狭いからやり難いですね。


IMG_0247

ボディにある大きなラジエターグリルも潰します。
モールドを削ってパテ埋めして均します。


IMG_0245

工芸社さんのタンク撤去痕フタを付けます。1700番代はほとんどこのフタをつけているのかな。
これはプラ板がカットされてるパーツを組み上げたものですけど、やはりレーザーでカットしているのかな?出力を落とせば溶解せずにスジボリできるのでしょうか。
あんまりこの辺の技術が分かってないので勉強したいです。

このキハ40-100改造は6両で、前述のキハ400・480とは別に作ってます。全部で12両の同時製作。
それにこっちもやりかけてます。


IMG_0248

キハ56改造で「くつろぎ」を目指してます。
ま、こっちはとりあえず塗料を引きはがしただけですけどね。
種車は今年の工作分は確保してますので、あとは完成がいつになることか・・・・
こちらはとりあえず6両分(2両X3セット)作ります。
ご興味のある方はこちらまでどうぞ。

瀬戸川模型工房  

ご依頼のキハ48とキハ28・58の弘前色4連が完成しました。

IMG_0237

二本のラインと袈裟懸けに大きくラインが入ります。
朱色4号、赤2号はファルベ。発色が良いので気に入ってます。
白はオリジナル調色のクリームです。

IMG_0238

キハ58平窓、キハ28・58P窓、キハ48-500です。
いつものエアホースやケーブル、ジャンパー栓の表現は無用とのことでしたので、工作的には一部のタイフォンを暖地形→シャッター形に変更しただけです。

IMG_0240

IMG_0241

キハ58はパノラミックがトラムウェイ、平窓(画像下)が天賞堂のものです。
トラムウェイの分解はお手の物ですが、天賞堂はヘッドライトがガチガチに接着されてますので、マスキングしなくてはいけません。
編成にするとベンチレーターの違いやタンクの形状の違いなど、屋根面の違いを楽しめます。
これは走行派のユーザーにはポイントですよね。

IMG_0239

キハ48・トラムウェイ。
やはり同社のキハ58系と比べますと、模型の構成が凝ってますので分解や組立がやや手間を喰います。
もちろんKATOの製品とは大きく違って手間がかかりますね。

IMG_0242

キハ48は袈裟懸けのラインの幅が太いです。
現物を見たことがないので、ネットや雑誌の写真から判断しました。
マスキングがちょっと面倒ですね。特に前面の凸凹したところにモロにラインが入りますので、吹き込みとかはある程度覚悟しました。
それと台車の隙間にチラホラ見える集電板の銅を黒く塗るだけで、結構効果的に引き締まります。
今後は当工房ではデフォルトの作業とします。
(集電板の全部を黒く塗っちゃうと集電の妨げになりそうなのでそれは避けてます)

僕にとっては初めての弘前色でして、このカラーがあの五能線を中心に走ったんですね。
日本海の青さとか、岩木山をバックにこのカラーリングはよく似合ったと思います。
リンゴの色も入ってますしね。

IMG_0243

付属の細かいパーツの取付もお客様任せです。
ですので通常の完品と比べてお安くさせていただきました。
お客様の工作のお手伝いとして”塗装代行”ということです。
このような対応をさせていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。

現在はHOゲージのみですが、お問い合わせはこちら!

瀬戸川模型工房  







今年に入ってからも相変わらず北海道気動車を作っております。今回はその三回目の報告。
キハ400の製作途中をご紹介です。


IMG_0153

埋める予定の窓を大きく切り取りました。
写っているのは超音波振動カッターで、年末から導入してます。
ホットナイフよりもスムーズに切れますが、振動の出力を強くしたり、刃の運びを遅くしたりすると樹脂が溶けます。
それでもホットナイフよりかは幾分マシです。
なんせトラムウェイのこのボディの肉厚が1.8mmほどありますので、真っすぐ刃を運べなかったりします。IMG_0154

水平カットには昨年特注で作ってもらった治具でガイドしてモーターツールでカットです。
これは何度もやっているうちにかなり精度よく水平カットできるようになりました。
画像の様に雨どいの直下で側面を切ります。


IMG_0155

垂直方向はレザーソーでカット。振動カッターだとその振動でガイドを外れ、曲がってしまいます。
縦樋のすぐ脇で切り落とし、断面を整形。

IMG_E0156

M工房さんで作ってもらった特注の3Dプリンタ出力パーツを接着します。使うのはエポキシ。
表側に十分ハミ出すほどに着けますと、後の継ぎ目の整形の時に楽になる予定。
ここから継ぎ目消しや表面の均し地獄が始まるわけですが、このパーツをボディの肉厚と同じに作ってますので、その辺も良い仕上がりが期待できそうです。
ただ、使用したプリンタ用の樹脂の量が多かったり設計に時間がかかったために、このパーツのお値段は大変高価なものになりました。一枚で軽くNのM車が買えます。

IMG_0165

キハ40-100から切り出した窓は再利用するために大きめに切ったわけですが、ここから鬼の切り継ぎをします。
まずは窓枠の内側にピッタリ入るようにプラ板を切り出し・・・

IMG_0166

キハ480の窓配列になるようにプラ板で治具を作ります。
キハ40から切り出しただけですと窓の間隔が異なるために使えません。

IMG_0164

図面から割り出ししても間隔が広かったり狭かったりします。

IMG_0219

その治具にピッタリ窓がハマるようにセットします。隙間が空いているところは、ジャンク化したボディから板を切り出して埋めて接着します。
肉厚を揃え、同じ性質の樹脂にすることが目的です。
(かつてはフツーのプラ板やABS樹脂板を使ってましたが、ペーパーを掛けた時の削れ方に差が出てしまいます。それを嫌ったわけです)


IMG_0222

上下に裏板を当ててさらに固定。ここから継ぎ目消しですね。

IMG_0220

こちらはキハ40-100とキハ48-500(1500)のニコイチの画像です。裏板補強のあとにエポキシで接着してます。
この後位側を窓ブロックの大きさに切り抜き、耐寒窓をハメて整形するわけです。


な、なんか書いてて途方もない、そして引き返せない工作の旅(ドロ沼)を歩いていることに気づいたり・・・・

ま、ここまで来たら引き返せませんし、今までやってきたことの集大成ってことで。
こういう加工は前述の治具や工具がないとヤル気にならない内容ですね。
というか工具を持っていてもフツーはやらんよね。



もちろん作るのはキハ400系「利尻・宗谷」です。

ad042943
(これは過去に作ったNゲージのもの)

キハ400+キハ400+スハネフ14+キハ480 の四連です。それを2セット作り一つは480-300番代、もう一つは480-1300番台というラインナップを予定してます。
ま、まぁ、ちゃんと出来ればね・・・  したがって予約はまだ受け付けておりません。


というわけでこの「北海道の気動車」製作シリーズはまだまだ続きます。
2022年は一年間通じてこの”北のディーゼル”を作ることになるでしょう。
もちろんこれだけじゃございません。キハ56系改造もやりますし、北海道以外の車両や定番の工作もやります。
それではまた!

お問い合わせはこちら。

瀬戸川模型工房







新年一発目の新作はキハ58-7301 エーデル北近畿色です。

IMG_0148
IMG_0150

KATOのキハ58(T)からの塗り替えです。
加工点は少なめで、
・タイフォンカバーの交換(エコーパーツによる暖地型へ)
・前面のジャンパー取付用の穴埋め
・手すりの真鍮化
こんなところです。

運転席下の手すりが長いままだったり、ワイパーの根元の強化板が無かったり、インレタが側面のナンバーだけだったりしてますので、「タイプ」として仕上げました。
お手持ちのキハ58系編成にサクっとつなげて、同車の波動運用を再現しやすくしてます。

IMG_0151
IMG_0152

以前Nゲージで制作したときは、マイクロエースの製品との連結運用を目的としましたので、ライン色やボディ色を製品に合わせたのですが、今回は二色とも作り直しです。
KATOの付属パーツであるジャンパー二種も色を塗り、本体色、グレー、つや消し黒の三色で表現してます。
緑色の箱になってから、KATOのこの付属パーツは樹脂の変更があったので、塗料が載りますので助かります。
それでもプライマーは吹いてますけどね。


当工房は昨年のキロ28-2500やキハ53-500のように重加工作品と今回のような軽加工作品を作り分けしてます。
重加工は時間も手間もパーツ代もかかったりして、完成してみるとかなり高額になってしまうのが欠点です。
これは僕自身の”挑戦”みたいな意味合いがあります。
逆に軽加工作品は今後も定期的に作ってお客様に供給していきたい狙いがあります。
工作上のデータや調色した塗料を多めに作っておいて、今後の工作時間を減らしてコストダウンを図ってます。
(なんせ一番手間なのは、実はその車両に対する調査なのです。
ネットでチャチャっと、というわけには中々いかず、逆にお客様にご指導願えたらホントに助かるのです。)


というわけでこのエーデル北近畿タイプは、予定では今月中旬くらいから大阪の某大型模型店で展示販売です。
予定・・・というのは、このコロナ禍で大阪への営業を自粛する場合があるからです。
ここ2年以上、大阪には営業に行ってませんので、是非赴きたいところなんですけどね。

もちろんこの商品は今後常に工作可能ですので、どうぞお問い合わせくださいませ。
それではまた!

瀬戸川模型工房


IMG_0149


↑このページのトップヘ