瀬戸川模型工房のブログ

東京・練馬で鉄道模型専門の模型工房をやってます。主に工作日記と乗り鉄・取材の日記を載せてます。お問い合わせはこちらです。https://tomox14.jimdo.com/

カテゴリ: 北海道 気動車

最近は一か月に一度の投稿となってしまってます。なかなか完成しないのと、文章を考える脳に切り替わらないんですみません。
今回はその間に納品したり完成したものをご紹介します。


キハ40-1747 新特急色 (タイプ)


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種車はTOMIXの1700番代M車です。
これは1747号が塗り替えされる際にサンプルとして発表された六つの案の一つです。
実車は宗谷線急行色になりましたね。

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(JR北海道様のサイトから借用いたしました)

このイラストを参考に塗り替えしました。
この絵ではタイフォンがついているのですが、実際は1747はタイフォンが撤去されていましたので、種車のまま、塗り替えのみで表現しました。
オレンジの濃度、赤は2号でいいのか?など決定する際には躊躇することもあり、模型屋に展示されている新特急色を見た印象で調色しました。ま、だいたいいい感じに出たかなと思います。
製作途中にご来訪いただいた方が「お、新特急色、いいね」とお褒めくださったので、ご依頼主のお客様にもご満足いただけると思います。
実車としてもこの色はアリなのではないでしょうか。

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キハ40-1798 いさりび鉄道 急行色

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これは以前にも作ったことがあった・・・かな? です。
改造点はタイフォンカバーの復帰ですね。
この急行色カラーも似合いますね。
こうなると国鉄一般色も並べたくなりますよね。
まさにキハ40は塗りかえてナンボ、の車種なのでしょう。

キハ40-401 札沼線色


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これはもう当工房の定番です。
ちょっと下の画像が暗めに写ってます。
一旦すべての塗装を落として、緑、青、クリームで塗装しています。
水タンクを取り付け、タイフォンの復帰と、加工する点は少ないのですが、ラインの塗り分けや細い青のラインが前面の凹みにかかっているところなんかが、塗装の難所です。
それとスカートの塗装。ボディと合わせてますけど、スカートは製品のままでいいかもしれません。
なんせ汚れて色が違って見える箇所ですし。


その他のお仕事としては

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KATO 165系の手すり金属化とか同じくKATOのDE10ドレスアップですね。
DLの手すりを金属化に、というお話はよく尋ねられるのですが、エンジン横の長い手すりとか前面手すりが複雑な形状をしているので、お断りさせていただいております。
それに製品のままの軟質プラスティックの方がDLは向いていると思います。
あの軟プラの柔軟さは運転中の取り扱いを気楽にさせてくれますね。
しかしエンドユーザーにこれだけの手すりやインレタをセルフでお願いしちゃう、というのは時流にあってないかもしれませんね。
慣れた僕でも三時間以上はキッチリかかります。


話は北海道のキハに戻りますが、現在は札沼線色三両、日高色三両(内一両は販売分)、いさりび濃緑、キハ53-500、キハ56お座敷(まだ出来てないんかい)、くつろぎ、キロ29&59を製作中でして、年間どれだけ北海道キハを作っているんじゃ、という状況です。
当工房の格言として
「北海道モノにハズレなし」
があります。僕が一人で勝手に言っているのですが、あながち間違ってないでしょう。
きっと北海道の車両は他のどの地域よりも、美しく勇壮な風景の中を走るからでしょう。(脳内でもね)
模型を手に取ったり走らせたりしても、そのシーナリーが目に浮かぶのだと思っております。
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次回も完成報告・小湊鐡道編です。

瀬戸川模型工房


まだまだ暑い日が続いてますが、暦の上ではセプテンバーです。
実は8月は激しく体調を崩してしまいまして、完成予定のNゲージ工作とか全然手が付けれませんでした。
特に喉や気管支をやられて塗装が全くできず、シンナー臭から逃げまくってました。
そんな感じだったので、先週からやっと加工方面を進めました。

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前回の窓埋めの後にその接合部分を平坦にするため、瞬間接着剤を盛り、そして上から軽く塗装した状態にしました。オーソドックスなやり方です。
深く溝が出来ていたりする場合は、僕は主に瞬間接着剤をパテ代わりにしていますが、手早くて使い勝手が良いからという理由ではなく、乾いた後の硬さが得られることで選択しております。
使っているのはアロンアルファの低粘度プロ用速攻乾多様性で、結構派手に盛ります。
そして塗布の後、すぐに速乾スプレーを使い、ボディへの浸食を素早く止めます。
これは後で発生するヒケを少なくするためです。
その後1か月以上の養生を経て、その凸凹具合を見るために白を吹き付けました。

そしてアルティマ7というペン型サンダーに320番の耐水ペーパーを両面テープで貼り、ガンガン削っていきます。
瞬間接着剤がかなり硬いため、一面を粗削りするのに結構な時間がかかります。

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このアルティマ7ですが、強く押しつけた時に自動的にトルクが上がり、より強く削れる機能が付いていておススメです。
それでもサクサクとは削れません。ま、サクサク彫れてしまうと後の修正が大変になってしまいますが。
タミヤで削りやすい瞬間接着剤を発売されてますが、僕の間隔では柔らかすぎて、削りすぎちゃうイメージです。
そしてこの白い仮塗装が少なくとも全て消えてなくなるくらいペーパー掛けしないとダメです。
白い塗装が無くなっても、凸凹は平坦になってません。指で触って確認しながら進めます。

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ボディの地の樹脂があらわになり、瞬間接着剤のテカリが無くなって、ここで粗研ぎが終わります。
この後仮塗装をしてまた凸凹や傷をチェックますが、ここからは大きな傷でない限り、パテを変えていきます。

今回はキハ480を二両作ってますが、これ以外にもキハ400を4両も同時に作ってますので、この粗研ぎだけでも結構な時間がかかります。

次に使うパテとかは次回にご紹介します。

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そして今回は後期仕様ですので、前面にジャンパー凹みを付けます。
種車にはサイズが大きめの”蓋”が表現されてます。
まずはドリルで風穴をあけます。

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高周波カッターでざっくりと四角く開口し、そして角ヤスリでコツコツ仕上げていきます。
その際、蓋で盛り上がった面を彫刻刀の平刀で削り、面を出しておきます。

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カッター刃の背を使ったりして断面を仕上げ、裏側にプラ板、開口上部に三角のプラ棒を接着します。
この表現ですと、凹みが深くなります。
TOMIXで発売されたキハ40-1700北海道は最初からこの凹みがモールドされてますが、ちょっと浅いです。僕はこの深い表現の方が好きですね。

次回は下地仕上げです。今月中には完成しないかなー。

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蛇足ですが、今回の利尻編成で組み込まれるキハ182(マイクロエース)とスハネフ14-500(TOMIX)は連結器をトラムウェイ製に統一にします。
そのままではトラムウェイのカプラーと繋がらず、この二両を変えたほうがてっとり早いからです。
それぞれのカプラーを撤去し、トラムウェイの客車用・台座付きカプラーにします。
画像の様にM2.0のビスでネジ留めし、同車のキハ40・48と同じ高さに合わせます。


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というわけで今週から塗装も復帰します。
その前に換気扇を掃除しました。
このピンクっぽいグレーの粉、全部塗料です。空気中で乾燥し粉になってしまったものです。
しかもたった二か月でこの量。
もちろん換気扇やダクトの中からも山になるような粉が出てきます。
僕は仕事として塗装しているので、こういう状況になってしまうのですが、ガスマスクのフィルターもマメに交換してます。
それでも喉がやられてしまっています。
どうぞ皆さん、塗装をするときには十分すぎるくらいの換気と、防塵、防臭をしてくださいませ。
ではまた。

瀬戸川模型工房 

不定期になってますこのキハ480製作記ですが、当工房のプラ製鉄道模型改造の集大成として書き留めています。
オーソドックスな工作法なのですが、モデラー読者様の御参考になれば幸いです。


前回キハ40とキハ48の妻面部を接着しまして、それが完全に接着するまでに窓を作ります。(もう3か月も前の話です)

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キハ40の使用しないボディから大窓と小窓を切り出し、断面を一つずつヤスって繋げます。
この画像の白いプラ板はその窓の並びのガイド治具でして、プラ板に”ガラス”部分の大きさのプラ板を接着し、アルミテープを貼っております。
このガイドの通りに並べれば、正確に窓の間隔を再現できますし、量産も可能です。
アルミテープの意味は窓同志を接着した時の接着剤が、治具までも接着してしまうのを避けるためです。
ちなみにこの時点ではパーツの上下は凸凹です。


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これは車内側の様子(裏側)です。ガラスパーツの接着シロを避けて、白い補強板(ABS樹脂板)を接着してます。まだこの時点でも上下のラインは凸凹。
キハ480は300番代も1300番代も車体後方は同じ窓配列なので助かります。

この窓枠ですが、表側の窓開口部切断面には微妙なRがついてまして、窓埋めして正確に窓を開けることは難しいのですが、そのRを再現するのもハードルが高いのです。ですので、こんなメンドクサイ”窓枠移植”を行っているのです。

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窓枠パーツが接着できましたら、またしても治具を別に用意して、それをパーツにはめ、上下のラインをやすります。
ここで大切なのは窓枠開口部に対して水平をしっかり出して仕上げることです。
4個のパーツが全く同じ大きさと形状になるまで丁寧に仕上げます。


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ボディに仮置きします。かなり窓の大きさが違いますね。

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このパーツをハメるためにボディを開口します。
ボディに対して鉛直方向は振動カッターで、水平方向は画像のモーターツールを使います。
これはネットで買ったドリルチャック付きのモーターを、特注で製作してもらったホルダーに取付けます。回転ノコギリ刃をチャックに装着。
モーターの取付位置を調整しながらボディの切りたいラインに刃が落ちるようにします。
そしてボディの下辺をガイドに滑らしながら水平に切断をしていきます。
この特注ホルダーは非売品でして、この工具を使わないと、水平に切り目を入れるなんてまず無理でしょう。
振動カッターでも手が震えますし、後でヤスリ掛けも大変。
まさにこの加工のためだけに用意した工具です。
(ちなみに50K以上の製作費です)

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切り込みを入れました。
それでも切断面の仕上げや開口の大きさ、パーツの取付位置を調整するのはヤスリで行います。
この辺の微調整が仕上げを左右します。

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いかがでしょう?
ピッタリはまりました。
接着面にスジがありますが、これはこの後のパテ仕上げで埋めていくわけです。
なるべく仕上げが容易になるように、ピッタリ合わせることが肝要です。

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こんな感じで窓枠パーツを接着したら、今度は接着面のスジに瞬間接着剤を盛ります。
そしてしばらく養生期間を取ります。
昨年作ったときはここで2か月以上の養生をしました。
今回も既に2か月が経過してます。

この次の作業は仕上げの面出し、すなわちパテ修正です。

不定期に続きます。

瀬戸川模型工房 

今回はNゲージの気動車三色12両が完成しましたのでその報告です。
とくに旧スカ色を新しい調色で表現しました。

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まずは青です。旧スカ色では青2号というのが使われていたそうで、プラ系塗料では発売されてません。
で、試しに手持ちのキハ20に大雑把な調色をした青を吹いてみました。
比較となったのはKATOの飯田線シリーズでもちろん青15号です。
青2号はウルトラマリンという呼び名がついているそうで(ウキィより)、これは昔僕が学生の頃、アマチュアでセルアニメを作っていたときに彩色に大変苦労した色と同じ名前です。(すぐに白と分離するのでセルの上でムラになってNGだらけになりました)

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光の当て具合にもよりますが、これではいいか悪いかは判別つきませんね。
何となくイメージとしては青15号よりも明るく、青味が深いってところでしょうか。
でもま、このウルトラマリンではちょっと合ってないでしょうね。

実物はどんな感じだったのでしょう。

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(画像はネットから借用してます)

これは佐久間レールパークにあったころのキハ10系だと思いますが、なんか青15よりも明るいだけって感じで、ウルトラマリンって言葉のイメージとは違うような・・・

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(これもネットから借用してます)

この大糸線の復活色は僕も実際観に行ったことがありますが、青だけを見ればキハ10系と同じ系統ですね。
しかしクリーム2号(黄褐色2号)が10系と違いすぎて、印象が全然別物です。
個人的には大糸線のキハ52の色合いが好きですが。
ちなみにトラムウェイの10系バス窓でこの旧スカ色が発売されたときは、この大糸線のカラーの方が近かった印象です。
そこでご依頼のお客様にご質問。すると御返事は、大糸線の復活色の方に寄せてほしいというご指示でした。
こりゃ試しに作ったウルトラマリンはあまりにウルトラ過ぎて使えませんね。

というわけで青はもうちょっと彩度を落とし、でも青15号にはなりきらない程度に調色しました。

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どうでしょうか?自分としては納得の発色になったと思います。
クリームも飯田線の1号とは違いを出し、ほんの少し黒を足すことでくすんだ感じを出してます。(画像一枚目のサイドビュー)
でも光の当て方を二枚目の画像のようにすると、その黒よりも黄色が浮かんできますね。
ま、デジタル画像なので実物はもっとシックな色調なのですけど、旧スカ色の感じが十分に出ていると自負してます。(でも実物展示のキハ10系のそれとは大きく違いますけどね)

さて、完成です。

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鉄コレの雄別鉄道、TOMIXのキハ10、20系、52系を塗り替えました。
6両揃うとなかなかの車両群ですね。
気動車はこれら混合編成にしても似合うからいいですよね。僕が気動車好きなのはその辺です。
塗装としてはまず青、そしてクリーム、屋根を塗って筆修正、1/4光沢クリアー仕上げという流れです。
地味にヘッドライトのマスキングが大変なのと、鉄コレ車両はホロ枠がモールドされてないので塗り分けが微妙なところですね。

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同時に一般色(鉄コレ・雄別)と首都圏色(鉄コレ・TOMIXキユニ)も塗り上げました。
総勢12両の完成です。
今回は付属パーツの取付とインレタをお客様でしていただくことでお値引きもさせていただきました。

久しぶりのNゲージの大量塗り替えでしたが、旧スカ色を追求して調色を繰り返しては吹き付ける作業は、結構地味でも夢中になれました。
自分の研究や実験好きな性分にマッチしたご依頼で、とても楽しかったです。

そして現在も日数をかけて挑戦している調色がこれ。

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この赤を出すのがとても大変なんですけど、もうちょっとでいい線行きそうなんです。

さて、現在はNゲージのご新規のお客様のご依頼やお問い合わせは受け付けておりませんが、既納客(OB)様は年中OKとしております。
どうぞこのブログをお読みのOB様は「懐かしいから瀬戸川に連絡でもしてみようか」ってな感じでお気楽にお問い合わせくださいませ。
よろしくお願いいたします。

瀬戸川模型工房 

*** 今週の完成画像 ***


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天賞堂キハ28のドレスアップ

最近この製品を手にすることが多くなりました。いいですよね、この天賞堂のキハ58系は。
ヘッドライトが接着されてしまっていて、これを取り外すことが出来ないので、完全バラシ出来ないのが改造屋には辛いところです。

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KATO キロ28 帯無し
帯だけを製品から消し去る、というのは出来ませんので、上から塗りつぶすというのがイージーな考え方なのですが、その帯の塗装痕が必ず段差となって出てしまうため、塗装全剥離か帯部分をペーパーで落としてからの全塗装、のほうが無難です。全塗装の際にグリーンマークも浮いて出るため、今回はマークもペーパーで落としてからの塗装です。
あと注意点としては客間道の上に小さな庇(霧よけ)があるため、赤→クリームと塗った後にもう一度マスキングして赤を庇の部分に吹きます。でないとマスキングテープが庇で浮き上がって、クリームが赤に吹き込でしまうからです。

工作中の一部

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もう二週間前には窓埋めを完了しているモハですが、今週辺りには仕上げたいですね。
これは部分加工部分塗装なので製品の塗装を侵さないようにしないといけません。


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これはカラーサンプルとしての画像です。このカラーでフリー車両を塗るというオーダーも入ってまして、自分としては楽しみです。
まだあと電気機関車が三両とTOMIXキハ40塗りかえ前とか、コンテナ塗装剥離とか一杯あります。

というわけで前説は終わり。
今回のキハ480はニコイチ合体です。


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ボディ断面を綺麗に整形し、裏板を接着します。
ボディの裏側のバリをしっかりと取り除いておかないと、仕上がりが悪くなります。
板はABS板。接着剤もABS用です。十分乾燥してからもう一度流し込みタイプの瞬間接着剤をつかって固着させてます。


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車端側の整形です。まるで囲ってあるところには窓枠がモールドされてますので、それをヤスリで落として平坦にしてきます。
後々窓埋めの仕上げの際に消えてなくなるのですが、後での作業を少しでも減らすのがポイントです。


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いよいよ合体ですが、接着前に完了後のフォルムをチェックします。
全方向尾から見て「への字」になっていないか。
それぞれのパーツの接点にバリやチリがないか。
段差はできていないか。
接着ラインに隙間が出来ていても、完成形のフォルムを優先します。隙間は後で何とか埋めましょう。

使うのはもちろんABS用接着剤。はみ出しOKでしっかりと量を塗ります。
この接着剤、なるべくフレッシュなものを使うことと、塗布して出来れば4秒以内に使用するのがいいとかがあるそうです。
でも4秒ルールってのはちょっと厳しいので、なるべく手早く、という感じで一気に着けます。
十分に接着タイムをもって、その後に流し込みタイプの瞬間接着剤を使って補強。その際にすぐに速乾スプレーを使ってガチガチにします。
それは瞬間接着剤のもつ溶着性がABS本体やABS接着剤を侵してしまう危険性があるからです。
この速乾スプレーはこれ以降の継ぎ目処理にも毎回使用します。


てなわけでニコイチ合体は2日間の養生を経たのちに、次の作業「窓埋め」に入ります。

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梅雨が明けていよいよ本格的な夏になりましたね。
塗装の乾きが異常に早すぎて、かえってやり難い季節でもあります。
この7月は前回のHOキハ東北色の塗装がメインでしたが、ハードな加工モノも進めていました。
急行「利尻」などに運用されていたキハ400系キハ480形です。
これは昨年当工房の10周年記念で製作した同形を再工作することになりまして、その工程をもうちょっと詳しくブログに載せてみることにしたものです。

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種車はトラムウェイのキハ48-500(1500)、キハ40-100の二つです。
キハ480は窓がキハ40-100と同じ小さな窓サイズを使っています。
ですので製作方法としては、
・製品の48-500(1500)のボディにつく大きな窓をすべて埋めてから、この小さな窓に置き換える
・キハ40-100のボディの前半分とキハ48の後端部分をニコイチ接合し、必要な分だけ小窓に換える

このどちらかを選択しなくてはいけません。
48の窓を全て綺麗に埋めてしまってから、小窓用の穴を綺麗に開けれるか(もしくは窓穴のついた側面を全て移植するか)というと、かなり難易度の高い工作となってしまうでしょう。
ですので、今回も後述のニコイチ+窓交換方式を採用しました。

どこかの雑誌に載っていた図面をコピーし、HOサイズの寸法を落とし込んでみます。
図面上で斜線で囲った部分が500(1500)番台の窓です。
接合ラインは元となるキハ40-100の窓の数を一番無駄にしないよう、画像の赤線としました。

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アルミ材から切り出したアングルは、このトラムウェイのボディに合うように特注で作ってもらいました。側面上部の雨どいの下とボディの下端がピッタリと合うので、真っすぐに垂直線をけがくことが出来ます。
けがきを窓間の中心ではなくやや右に寄せているのは、接合後の裏側の処理を楽にするのと、ボディ下部のグリルをヤスリでなるべく傷つけないためです。

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もう一つ。ボディ裏側にある上下まわりの合体のための爪を避けているのも理由です。

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先ほどのアルミのアングルをガイドにし、タミヤの大きいレザーソウで切断します。
刃が薄いと切断ラインが曲がってしまいがちですので、ニコイチ切断の時は刃は厚くても直線がしっかり出るものを使います。(トラムウェイの製品はプラの肉厚が太いのでラインが曲がりやすい)

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ざっくり切りました。屋根のところを見るとラインがガタガタになってますね。
Nゲージの切断ならこうはならないのですが、HOはボディが大きいため、タミヤの刃が届かず屋根まで切断しきません。ボディを回転させながらカットしたため屋根はガタガタです。
でも重要なのはサイドの必要寸法とその断面の垂直性ですので、屋根は犠牲になってもらいます。
(屋根はヤスリがかけやすいのでラインが曲がっても仕上げやすい)

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こちらの画像が接着するとこうなる予想です。あからさまに窓の大きさが違いますね。
次回はニコイチ合体と窓の製作です。

つづく

瀬戸川模型工房 

今回の完成品はいさりび鉄道・キハ40-1795 急行色です。(ご依頼品)

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主な加工点はタイフォンを原形タイプにした(エコーモデル)くらいで、塗り替えがメインです。
この急行色は当工房の得意な色でありまして、クリーム4号も赤11号もKATOのキハ58に合わせたブレンドがしてあります。

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赤帯が雨どい、窓周り、裾の三か所になっておりますので、一度にマスキングして吹くのは厳しいです。単純な二色なのですが、部位に分けてマスキング塗装していきます。

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スカートは製品のままでは白っぽいのでねずみ一号で。
手すりなどはインレタの後で付けて塗装する方が効率がいいものもあります。
特にこの妻面の検査表記などはセロテープの仮留めも難しい場所ですので、手すりは後付けになります。銘板はこのパターンでは塗装前に取り付けるのがベスト。

前にも書きましたが、この急行色はキハ40の顔に良く似合います。
このいさりびの車は実物を見たことがありませんが、新潟のキハ40-500でのこの塗装はカッコよかったです。
いさりび鉄道での運用ならば、函館駅でJR北海道の標準的な北海道色ともホームで並ぶのでしょう。似合いそうですね。
(もう函館色のキハ40は全廃しちゃったのかしら。すみません、良く知りませんので)


前回書いていましたヤフオク出品、一週間も遅れてすみません。
出品前に再チェックなどしてましたら遅れたり事情が変わったりしました。
毎度のことで申し訳ないです。

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このいさりびイエロー、キハ40-1814(M)とタラコのキハ40-1807(M)を3/5に出品いたしました。
これらいさりび鉄道の車両はヤフオク出品はこれが最初で最後です。
今後は全て注文生産となります。
イエローのあの帯のインレタも、他のカラーがトレジャータウンさんで発売されてますので、ご興味のある方は当工房にもご連絡ください。

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銀座に置いてあった小湊鐡道 キハ40-4 もヤフオク出品に切り替えました。
こちらももう注文生産でのみの対応品です。

当工房のヤフオクはこちら

また、天賞堂銀座本店様での展示販売の商品も二両ほど入れてありますので、銀座にお立ち寄りの際にはどうぞご覧ください。


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ここんとこ、ちょっと工作にトラブルが続いてまして、動力シャフトの先端がへし折れたとか、モーター車の通電不良とか3Dパーツの破損とかで中々進みませんでした。
最悪のなのはキハ56のお座敷。デカールの張り直しをしようと思ったら塗装まで剥げて全面やり直しです。とほほ。
でもま、気分を変えて今週もコツコツやりましょう。
気温も上がってすっかり春めいてきました。電気代が助かります。(早く乾くのはいいですけど、空気が汚れてるので塗装には不向きですが)
木の芽時です。
気持ちが早って行動的になりがちですが、ちょっと慎重にいきましょう。
ではまた。

お問い合わせはこちら→   瀬戸川模型工房 

ブログ更新が滞ってます。すみません、ついつい工作ばかり集中してて、ブログを書くという別の脳を使わなくてはいけないことを避けちゃってました。
前回までのいさりび鉄道のイエローの完成画像を載せておきます。

キハ40-1814(M)


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工作としては難関はやはりインレタ貼りでしょうか。
でもこれは慣れもあるかなーと思います。
塗装のイエローは黄柑色からの調色です。スカートも塗らなくてはいけません。

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スカートに検査表記があったりします。

キハ40-1807 (M)


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この車もいさりび鉄道所属です。加工点はタイフォンが原形と同じ位置ってことですね。

そして完成前ですが・・

キハ40-1798 (M)


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国鉄急行色です。これはお客様御依頼分です。
これまでキハ40系は各地でこの急行色が塗りかえられて話題になりましたが、パノラミックの顔にこのカラーはキハ58のパノラミックを思わせ、良く似合っていると思います。
とくにこの車は北海道所属のキハ40-100を源流とするタイプですので、客窓が小さいです。ですので側面の赤11号の高さが違って、キハ53-500を彷彿させています。いいですねー。

というわけでイエローとタラコは来週になったら販売いたします。販売方法は多分ヤフオク。
そしていさりび鉄道のキハ40のバリエーションは今後は完全注文生産となります。
特にイエローと同じインレタを必要とする車や、「ながまれ号」のようにかなり手ごわいインレタ貼りは、お値段に反映いたします。ご承知おきください。

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あ、定番のキハ40-1749(T)も作りましたので、T車なのでお手持ちのTOMIX製品につなげて遊んじゃってくださいませ。

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この現在製作中のキハ40-1747宗谷線急行色も最終生産です。お客様御依頼分とともに作ってます。完成間近ですね。

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そしてちょくちょく製作する小浜線色(敦賀色)は今回はキハ53とキハ58パノラミックです。お客様御依頼分です。
もうちょっと塗装の手直しをしてからフィニッシュですので、もうちょっとお待ちください。

てなわけで今月後半はちょっと頑張って作ってます。
一連のTOMIXキハ40北海道をネタにした製作は来月で在庫販売分は終了となり、注文生産に切り替える予定です。

それではまた!

ヤフオクはこちら
お問い合わせはこちらです。→瀬戸川模型工房 

お久しぶりです。三週間ぶりのブログとなってしまいました。
今年に入ってコンスタントに・・・・とか前回ほざいていたのにこの有様です。
とにかく一度にいろんなことが起きまして
・携帯のキャリアを変え、光ケーブルの会社も変えたら、電話、Eメール、ネット設定、おまけにPCの不調が連続で発生。
・クレジットカードの支払いに不明瞭な請求があったのでそれを停止。
・お客様への荷物が運送会社による破損。その原因の究明。(大事には至りませんでした)
これに気温差や天候の変化が加わって、工作のスピードがドカンと起きてしまいました。
余りの不調さに近所の神社に手を合わせに行ったほどでした。

ま、このいさりびのインレタ貼りから逃げ回っていただけなんですけどね。
この三週間で、四国色、東北色といろいろ完成はさせてましたが。

さて、いさりびイエロー、意を決して取り掛かります。


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まずは小さいインレタから貼っていきます。
これはスペアがあるからです。作業中にかすれてしまっても代わりがあります。
ちなみにインレタもデカールも触ることが少ない妻面や前面から行うのがセオリー。


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さて、一番緊張するラインのインレタ添付です。
HOのこの車体長よりも長いインレタですので、慎重にセロテープで仮留めします。
実車の画像や説明書を参考に位置決めをします。
そしてバーニッシャーでこすりつけていくのですが、後で分かったコツとしては、画像の赤い矢印の部分を最優先に行うといいです。
ラインが函館山の稜線を描いている(だと思う)ので、擦り付けるバーニッシャーの運びも複雑な曲線になります。そこが難しい。
直線部分は運びも直線なので移しやすいんです。そして直線部分は余剰のラインを使って修正しやすいのですが、稜線はスペアが一つしかなく、なるべく一発で決めたいです。
このインレタはかなりしっかりしたフィルムですので、切れたりしにくいのは幸いなのですが、それでも表面の透明フィルムと分離するときに、ぺろーんとラインがついてきてしまったりします。


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フィルムを剥がす時は少しずつめくって、トレシングペーパーでこすりつけながら進めて行きます。

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透明フィルムを全部剥がしきっても、ラインが浮いているところがあります。
光を当てると光沢が違いますので、コツコツと擦り付けていきます。
しわが寄っていても、押しつぶすようにして行けば、かなりしっかりと定着させれます。
前面のラインは説明書には「フィルムから剥がしてシールを貼るように貼ってください」とありますが、実際そうやって貼ることもできるくらいしっかりとしています。
でもそんなに簡単に貼れるわけでもないんですが、前面はラインを長いまま貼るのを諦め、短めのものを繋ぐイメージで処理しました。
それでもボコボコとした仕上がりにならないところが、このインレタの優秀さでしょうか。

と、完成画像は次回ですね。

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キハ56-550お座敷は塗装が完了してゴールドのラインをずらしマスキングで塗装しました。

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特製デカールでエンブレムを入れました。
この時は良かったのですが、このあとマークソフターとの相性がわるくてアバタとなり、洗っても取れなかったので全て剥がしてしまいました。
ついでに塗装まで一部剥がれてやり直しという・・・
ああ・・・もう一度神社に行こうかしら。

ま、こいつはのんびりやりましょう。
もう、本作でこのお座敷塗装のキハ56は絶対作りません。
でもキハ400のこのカラー、もう車体を仕込んじゃっているんだよなー。
なんかまたトラウマ作品を増やしているような。w

ではまたー。

瀬戸川模型工房 








昨年からコンスタントにTOMIX・キハ40種車にした改造を進めてます。
月産8両くらいをルーティンとして行きたいところです。とはいえネタはどんどん切れてきまして、新ネタとしてはいさりび鉄道に移った車両に着手してます。
ごちゃごちゃと毎日作ってますが、タラコが先に出来ました。

キハ40-18074(M)


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一連のタラコ塗り替えの一つなんですけど、タイフォンが原型のままですのでオデコにないことと、前面のジャンパー用凹みがないことが差異です。
この凹み埋め、簡単にやれるとタカを喰ってましたが、トラムウェイ種車を凹ませるのと同じくらい手間でした。
プラ板を切り出し、隙間を埋め、表面を均してパテ修正を三回くらいやってこんな感じです。
スカートを塗装するのも忘れずに、です。

キハ40-1749 (T)

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ついでに1749も三回目の製作をしました。
T車で作っているのは、ユーザー様のお手持ちの北海道色に軽く繋げて楽しんでもらう用にしていることと、販売価格を抑えるためです。
昨今は運転会場で走らせたり、サークルで走行させたりしない、「展示オンリー」のユーザー様も多いので、T車の需要も増えたかなーと思ってます。
でもこれで当工房のT車の在庫はなくなりましたので、今後の製作は全てM車となります。
まだまだこれからもヤフオク販売用や天賞堂委託用として、このタラコ、キハ400、宗谷線急行色は作ります。(それでも三月末までかなー。日高線色は受注生産です。)

キハ40-825 (M)

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お客様ご依頼品です。ドレスアップに近い作品です。
札沼線で走ってたそうでキハ400とのコラボがいけそうですね。
特徴はタイフォンが原型のままであることと、タンクが上に載っていることです。

お話をいさりびに戻しまして・・・

IMG_1934

いさりびイエローのキハ40-1814(M)もボディ塗装が終わりました。
まだタイフォンがついてませんけどね。
黄色の塗装と言うのは、ムラになりやすいわ発色はカッチリ出ないわで難しいんですよね。
これが広島色の黄色5号だと、黄色に白とか黒とかが混色されてますので下地を隠蔽する力も強いのですが、このいさりびイエローは下地色をしっかりムラなく作らないと、隠ぺい力が低いので、後で取り返しがつかなくなります。繊細なんですね。
彩度がそこそこあるオレンジ(黄柑色に近い)なので、塗り重ねをしっかりしないと発色しないし。
この画像でも赤味が足りないように見えますが、蛍光灯のブルーにも反応しやすい。
しかし大げさにオレンジっぽくもしたくないので、調色には悩みました。


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んでもって、仕上げるのにトレジャータウンの高額インレタを一発勝負で貼らなくてはいけません。
う、これはさすがにビビる・・・
こういう時はデカールの方が修正が利きやすいのですけど、貼った後のラインの発色は断然インレタです。
今週は勝負ですね。

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一年ぐらい掛かっているキハ56-550番代お座敷はもうちょっとで本塗装が完了します。
ゴールドのラインは後でずらしマスキングで塗装します。
あ、屋根もまだだ。
こいつ、何回パテ修正したのかわかんないっす。
でもこのままいけば今月には完成するでしょう。
そしたらすぐに販売します。価格は未定。まともに計算したらどんだけの金額になるやら。
このキハ56-550は”くつろぎ”の白字に緑のカラーもありますね。
いつかはそれも作るのでしょうけど、今年中に出来るんかしら。
昨年のキハ400よりも手間食ってますので、作っても半年に一組くらいでしょうね。(途中でやめてジャンク処分したりして)

こんな感じで今年はコンスタントに製作モードとなってますし、注文をぼちぼちいただいてます。
切り継ぎやパテ埋めが必要な工作はしっかりと工期をいただきますが、塗り替えやドレスアップでしたらまだ工期に余裕があります。
(でもなかなかNゲージの再開には至りません。どうもすみません)

どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
ではまた!

お問い合わせはこちら → 瀬戸川模型工房







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